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映画「スパイの妻」のキャスト、あらすじ、感想まとめ

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画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

2020年に公開された映画で、1940年の日本が舞台となっています。監督をつとめているのは、映画『散歩する侵略者』『トウキョウソナタ』などの作品で知られる黒沢清さん。主役の聡子役を演じているのは、蒼井優さんです。

「スパイの妻」のあらすじ

画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

1940年の日本、神戸の洋館に暮らす福原聡子は夫の優作を心から愛し、また夫からも愛され、貿易会社の社長夫人として何不自由ない生活を送っていました。

しかし、そんな平和な愛に満ちた生活は、長くは続きませんでした。

仕事のため、優作と甥の文雄が、2週間ほど満州に渡ったのですが…。2人が日本に帰国してから間もなく、神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治が聡子を呼び出したのです。

聡子と泰治は幼なじみで、結婚してからも顔を合わせれば一緒にお酒を飲んだり、気軽に会話をするような間柄でした。

そんな親しい仲の泰治から聞かされた話に、聡子は耳を疑います。

先日、旅館「たちばな」の近くで水死体となって発見された草壁弘子という女性と、優作、文雄になにか関係があるようだというのです。さらに、弘子は、優作と文雄が満州から日本へ連れて帰ってきた女性だった、と…。

聡子は、優作の潔白を願いながらも、優作本人に直接、弘子のことをうかがいます。しかし…優作から返ってきた返事は、聡子を安心させるようなものではありませんでした。

「スパイの妻」のキャスト

画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

蒼井優(福原聡子役)
1985年8月17日生まれ。福岡県出身。
デビュー作品は、1999年のミュージカル作品『アニー』(ポリー役)。
女優として多数の作品に出演しているほか
劇場アニメ作品『鉄コン筋クリート』『ペンギン・ハイウェイ』などでは
声優として作品に参加しています。
代表作は、映画『花とアリス』(有栖川徹子役)
『彼女がその名を知らない鳥たち』(十和子役)『長いお別れ』(東芙美役)など。

高橋一生(福原優作役)
1980年12月9日生まれ。東京都出身。
サイコパスから穏やかな心優しい青年役まで幅広い役を演じている俳優です。
ジブリ映画『耳をすませば』で天沢聖司の声優を
つとめたことでも知られています。
代表作は、映画『ロマンスドール』(北村哲雄役)
ドラマ『僕らは奇跡でできている』(相河一輝役)
『岸辺露伴は動かない』シリーズ(岸辺露伴役)など。

東出昌大(津森泰治役)
1988年2月1日生まれ。埼玉県出身。
俳優デビュー作品は、映画『桐島、部活やめるってよ』です。
俳優として知られていますが、元々はモデルとして活動しており、
パリ・コレクションに出演した経験もあります。
代表作は、映画『寝ても覚めても』(麦/亮平役)
ドラマ・映画『コンフィデンスマンJP』シリーズ(ボクちゃん役)
ドラマ『ケイジとケンジ〜所轄と地検の24時〜』(真島修平役)など。

「スパイの妻」の見どころ

画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

史実を元に制作された映画

この映画は、いくつかの史実を参考に制作されたそうです。街並み、登場人物の服装も1940年という時代をそのまま表現していて、劇中には白黒の映像が流れるシーンもあり、昭和初期の当時の空気感をとてもリアルに感じられる作品となっています。

また、映画やドラマでよく目にする蒼井優さん、高橋一生さんなど現代の俳優さん達も、当時の口調、言葉に近い形で話しているので、見ているとタイムスリップしたような、不思議な気持ちになるかも知れません。特に蒼井さんは、声の響きまで普通のドラマや映画での話し方と違っていて、昭和の女優さんがそのまま話しているみたいに感じさせられます。

聡子役・蒼井優さんの演技

蒼井優さんは、この作品で主役の福原聡子という女性を演じています。蒼井さんの高い演技力については、皆さん様々な作品でご存知だと思いますが…。この映画では、ちょっと怖いと思うくらい、聡子という役に入り込んだ蒼井さんが見られます。

お手伝いさんを雇って、洋館に暮らすほど優雅で豊かな暮らしをしていた聡子。そんな彼女が、満州で起こったある出来事をきっかけにして、タイトルの通り「スパイの妻」と呼ばれ…周囲から冷たく扱われることになってしまうのです。

なぜ、戦前、上流階級の人間だった聡子が「スパイの妻」などと呼ばれるようになってしまったのか…。彼女が「スパイの妻」になるまでの過程、夫・優作への強い思い、聡子という女性の強さを蒼井優さんがとても熱く、濃く演じています。

「スパイの妻」の感想

画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

元がテレビドラマ作品とは思えない濃さ!

この作品、もともとは、NHKで制作・放送された「テレビドラマ」だったとのこと。そのテレビドラマ版に色調の変更を加え、劇場版として映画館で公開されたのがこの映画というわけです。

私は、最後までこの作品を観てから、元がテレビドラマ作品であったと知ったのですが…。こだわりを感じる映像、俳優さん達の熱のこもった演技、先の読めない内容と、どれをとっても、元がテレビドラマだったなんて思えないほどの濃さ!

戦火や戦場、空襲などで被害を受けた人や街を中心に描くのではなく、聡子と優作という一組の夫婦の関係、聡子という一人の女性を丁寧に描くことで、戦争の恐ろしさ、戦争が人を変えてしまう怖さを表現しているところも印象的でした。

強烈な愛と重なる嘘が生みだすミステリー

同じ女性の立場から見ても、聡子が優作に向ける愛情の重さと強さはかなりのもので、狂気を感じるほど強烈です。演じているのが蒼井優さんなので、迫力があって、彼女の目を見ているだけでも、本当に怖いと思うシーンが数多くありました。

高橋一生さん演じる優作もまた、なにを考えてるのか本心がまるで読めない人物なので…。本当に聡子を愛しているのか、どれが本心でどれが嘘なのか分からず、登場する度に「口ではこう言っているけど、内心では何を考えているんだろう…」と、ドキドキさせられました。

ラストのシーンも、優作の本心は事細かに説明されないので、本当のところが分からないんですよね。彼が見せた表情とあの行動が、見たまんまのものなのか、それともやっぱり聡子を思ってのことなのか…。

そうした優作の様子も含め「見る人次第・考え方次第で印象が変わる」というシーンもいくつかあり、一般的な戦争映画とは少し違って、サスペンス、ミステリー色強めの作品だなと思いました。

夫婦が、愛と正義のためについた嘘がいくつも増えて重なっていく様子、嘘を1つつくごとに変わっていく聡子の変化が恐ろしくも興味深く、最後まで目が離せない映画でした。

「スパイの妻」のVOD配信情報

画像引用元 映画「スパイの妻」公式サイト

この作品は、U-NEXT(ユーネクスト)、dTV(ディーティービー)、Netflix(ネットフリックス)にて定額料で視聴することができます。

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