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映画「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」の作品情報

2022年5月18日

※ 本記事にはプロモーションを含む場合があります。

画像引用元 「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」公式サイト

2018年にアメリカで公開された認知症と家族をテーマにした映画です。監督はエリザベス・チョムコ。主演は『ミリオンダラー・ベイビー』などの作品で知られるヒラリー・スワンクです。

「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」のあらすじ

画像引用元 「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」公式サイト

カリフォルニアに住むビティは、娘のエマと急いでシカゴにある実家に向かいます。兄のニッキーから、認知症の母親・ルースが行方不明になったと知らせがあったのです。

運よくルースは無事に見つかり、ビティらはルースが保護されている病院へ…。しかし、ルースは、ビティが自分の娘であることや他にも家族がいることはまったく覚えていませんでした。

医師からは、徘徊には様々な危険が伴うこと、家族と離れて施設に入った方が症状が落ち着く人もいるという話をされます。ビティの父親・ロバートは激怒し、医師の提案を拒否しますが…。

実はニッキーは、友人が経営する施設に母親を入居させ、父親も一緒に施設のそばに引っ越しをさせようと密かに計画を立てていたのです。

そんなニッキーの思いも知らず、妻への愛が強いロバートは「これからもルースの面倒は自分がみる!」と言って聞きません。また、そんな実家の家族だけでなく、ビティとエマ親子の間にも問題があり…。

「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」のキャスト

画像引用元 「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」公式サイト

ヒラリー・スワンク(ブリジット・アーツ/ビティ役)
1974年7月30日生まれ。アメリカ合衆国ネブラスカ州出身。
実際に起った事件、その事件に巻き込まれた人物を描いた
映画『ボーイズ・ドント・クライ』の主役ブランドン・ティーナ役を演じ話題に。
アカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞ドラマ部門など
多数の賞を受賞しました。
代表作は、映画『ミリオンダラー・ベイビー』(マギー・フィッツジェラルド役)
『アイアン・エンジェルズ/自由への闘い』(アリス・ポール役)など。

マイケル・シャノン(ニコラス・エヴァーハート/ニッキー役)
1974年8月7日生まれ。アメリカ合衆国ケンタッキー州出身。
映画初出演作品は、ビル・マーレイが主役をつとめた映画『恋はデジャ・ブ』。
2008年の映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』に
ジョン・ギヴィングス役で出演し、アカデミー助演男優賞にノミネートされています。
代表作は、映画『テイク・シェルター』(カーティス・ラフォーシュ役)
『シェイプ・オブ・ウォーター』(リチャード・ストリックランド役)
ドラマ『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』(ネルソン役)など。

ブライス・ダナー(ルース・エヴァーハート役)
1943年2月3日生まれ。アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身。
舞台女優から始まり、現在は映画、テレビなど幅広く活躍しているベテラン女優です。
映画『セブン』『アイアンマン』シリーズなどに出演している
グウィネス・パルトローの実の母親としても知られています。
代表作は、映画『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズ(ディナ・バーンズ役)
ドラマ『HUFF〜ドクターは中年症候群』(イジー・ハフストッド役)など。

「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」の見どころ

認知症の家族を巡る問題

この映画では認知症の母親を巡る家族の問題が描かれていて、認知症の母親であるルース役をブライス・ダナー、その娘であるビティ役をヒラリー・スワンクが演じています。

父親は、今まで通り自分の家でルースのことを見守りたい、介護を続けたいというのですが…。近くで父親の老老介護の様子を見ているビティの兄・ニッキーは、早く母親を施設に入れるべきだと考えています。ビティは、ニッキーの提案を受け入れるべきだと頭では理解していながらも、子どもの頃からの癖で、どうしても父の意見に反対することができません。

認知症の母親という問題から始まって、家族が長年なあなあにしてきた他の問題、個々の正直な気持ちが露わになり…。「親」「子ども」という立場、母子関係について、話が進むにつれて深く掘り下げられていきます。

『認知症の家族』というだけでなく『家族』そのものを描いていたり、アメリカならではの宗教観、考え方も描かれていて、アメリカ映画らしいユーモアがあってクスっと笑えるシーンもあり。ただただ辛く厳しいリアルな認知症患者とその家族を描いた作品とは一味違った、温かみある穏やかな映画になっています。

母と娘の複雑な関係

認知症というテーマの他に「母と娘」というのもこの映画のテーマの一つとなっています。認知症となってしまった母・ルースとビティの関係と同時に、ビティとその娘・エマとの関係も描かれているんです。

主人公のビティが、仕事で忙しくあまり深く関わってこなかった母と改めて向き合い、「母親になる前の自分」を思い出したことで、娘のエマとも上手く付き合えるようになっていきます。

終盤では、ルース、ビティ、エマと、三世代そろった笑顔も見られ、認知症や家族をテーマにした作品ではありますが、重すぎず、希望を持てるような作りになっています。

「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」の感想

画像引用元 「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」公式サイト

ひとつの家族の物語として

認知症をテーマにした作品というと、どうしても切なさや悲壮感が漂うようなものになりがちですが…。この作品では、認知症の家族の苦労を描きつつも、家族の間に明るさや笑いがあって、そこまで暗い気持ちにならずに見ることができました。

監督のエリザベス・チョムコさんの実体験を盛り込んで制作されたとのこと。色んな人、多くの人に見てもらいやすくするために、あえてマイルドに仕上げ、認知症の「受け入れがたい現実」や「リアルすぎる表現」は避けたのかな、と感じました。

できれば施設に入れたくないという家族の思い、老老介護の厳しさ、家族の揺らぐ心が丁寧に描かれていて、監督も認知症の家族のことを、こういった温かな目線で見守っていたのではないかな、と。作品の中に流れる温かさに、監督の人柄が出ていたり、思いが込められているようにも思いました。

リアルな認知症患者の現実を生々しく描く!という種類の作品ではないのかもしれません。ですが、その分誰でも見やすく、ハートウォーミングな家族映画を見る延長で、認知症患者と家族の問題、「老い」について、考えられる作品になっています。

実力派俳優による贅沢なドラマ!

私はもうヒラリー・スワンクが主演だと知った時点で、この映画を見よう!と即決しました。他のキャストも、ブライス・ダナー、マイケル・シャノン、ロバート・フォスター、映画『運び屋』で主人公の孫役を演じていたタイッサ・ファーミガと超豪華!

特別クセがあるとか個性的なキャラクターは登場せず、あくまでみんな普通の一般人なんですが、どの登場人物も愛情深く、人としてとても魅力があって印象に残っています。

特に、意外だったのはマイケル・シャノンが演じたビティの兄・ニッキー!マイケル・シャノンは、悪役で登場することが多いので、この映画でもアウトローなおじさん役なのかな…と思いきや、ちょっと不器用ながら家族思いで、面白くて、すごくあったかい良いお兄ちゃんを演じているんです!

セリフや家族同士のやりとりも本当の家族かのように自然で、ベテラン・実力派俳優達の演技を見るというだけでも、価値ある一作となっています。

「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」のVOD配信情報

画像引用元 「ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~」公式サイト

この作品は、U-NEXT(ユーネクスト)にて定額料で視聴することができます。

AmazonPrimeVideo(アマゾンプライムビデオ)、TSUTAYA TV(ツタヤティービー)でも視聴は可能ですが、どちらもレンタル視聴となっており、定額料で視聴できるのはU-NEXTのみです。

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